方解石(CaCO₃)は、極めて高い複屈折性と広い透過率(200 nm~2300 nm)を有する三方晶系負一軸結晶であり、その柔らかさ(モース硬度3)と吸湿性にもかかわらず、可視~近赤外偏光光学系に最適な材料です。この材料は、消光比が10⁶:1を超えるグラン・テイラー/トムソン偏光子、ビームディスプレイサー、UV波長板などを可能にし、紫外線域ではYVO₄などの合成結晶よりも優れた性能を発揮しますが、ARコーティングと湿度管理が必要となります。
商品番号 :
Calcite製品の原産地 :
FuZhou仕様:
寸法公差: | +/-0.1mm |
光軸の向き: | +/-0.5度 |
並列処理: | <10秒角 |
垂直性: | <5分角 |
表面品質: | 20/10 |
平坦度: | < λ/4 @632.8nm |
波面歪み: | < λ/2 @632.8nm |
コーティング: | ご要望に応じてコーティング |
プロパティ:
結晶構造 | 結晶菱面体立方体 |
密度 | 2.7 g/cm3 |
伝送範囲 | 350~2300nm |
モース硬度 | 3 |
吸湿性 | 低い |
熱膨張係数(/℃) | 24.39×10-6(C) ; 5.68×10-6(A) |
屈折率 | No=1.66315、Ne=1.48854、532nm No=1.64237、Ne=1.47968、1064nm |
セルマイヤー方程式 (λ 単位 μm) | ne2=2.18438 + 0.0087309/(λ2-0.01018) - 0.0024411λ2 no2=2.69705 + 0.0192064/(λ2-0.01820) - 0.0151624λ2 |
なぜ選ぶのか 方解石(CaCO₃)結晶?
方解石(CaCO₃)結晶は、顕著な複屈折性を持つ光学材料であり、UVから中赤外までの透過域において入射光を2つの直交偏光ビームに分離します。硬度が低く、酸腐食の影響を受けやすいため、使用時には保護対策が必要です。方解石は、その天然の複屈折性を利用して、ニコルプリズムなどの偏光部品の製造に広く利用されており、偏光顕微鏡や干渉計システムにおける直線偏光分離を可能にしています。また、透明結晶(アイスランドスパーなど)は、光学標準や教育用デモンストレーションとして用いられています。